頂物・捧物

□祭り・花火・見たいものは…(相互記念)
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祭り・花火、見たいモノは…』


「や…んっ」
カシャン…と頭上で金網が音を立てる。
「んっん…ふぁ…っバ、Fool!!は、花火見にっ…ん、来たんじゃねぇのかよっ」
振り向かされる形で口付けられていた俺は、ちゅ…と離れた途端、両手を一纏めにして金網へ縫い止めたうえ、すでに浴衣の合わせ目から手を忍ばせて胸の飾りを弄る男に抗議の声を上げた。
「ですから、こうして見ているのではありませぬか」
「っ…お、俺はそんな気分じゃねぇ…んっ…だよ!!」
ふ…と両手を戒める離れた手は内股を伝う。
「では、その気になって下され…。政宗」
「っあ!!バ、馬鹿幸村っ!!あっんん…」
やんわりと花茎を握られ、声が上擦る。
「ほら、濡れて参りましたぞ?」
ニヤリ…と幸村が耳元で笑うのさえ甘い痺れとなって伝う。それに加え此処は外だ。羞恥の行為に身体は敏感に反応し始めていた。
「あっ…はん…んっぁ」
「政宗…」
今日、幸村に祭りに誘われた。最初は屋台巡りしたりして祭りの雰囲気を楽しんでいたけど、花火が始まるってんで、幸村が人気のない特等席だと此処へ案内してくれた。
「ひぁぁ…んっぁ、幸村っ」
確かに絶好の場所だと思った。背中から抱き締められて、誰にも邪魔される事なく2人見上げる花火は最高だ。
 なのに…。

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