翔女PRESS
□二次創作のための45のお題
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「今日子……」
「決着をつけよう」
対峙するコマンダーJ=佐久間理沙子とヘルダーク=上原今日子。白と黒に分かれし、かつての親友は何を思う。ぶつかり合う意地と信念の先に何があるのだろうか。
「うわあぁぁーーっ!」
「おおぉぉぉぉーーっ!」
倒れるのは――。
JWP選手控え室前では星神の三人が狂科学者マリア・クロフォードの怪人軍団により苦戦を強いられていたが、決戦に相応しい援軍の介入で形勢を逆転していた。
「……何故だ。何故、貴様たちがここに……」
「アンタたちのやり方が気に入らないからよ」
「ボクらは仲間だ!」
「……許せない」
共闘を誓い合った翔皇女子プロレスの武藤めぐみと相羽和希が怪人たちを蹴散らす。
「くっ! ヤバイね」
「……逃がさない!」
状況不利と逃げだすクロフォードを伊達 遥・必殺の鳳凰閃弾が捉えて粉砕。
息を吹き返した星神も加わり完全勝利となった。
リングの闘いも佳境に。村上ツインズは入れ替わり立ち替わりタッチしては和美を攻め立てる。だが、和美は何度ダウンしても立ち上がり、何度も間接を極められても堪え忍び、勝機を待つ続ける。
この試合は二十分経てばタッグとしてもよいという変則ルール。このルールを提示した村上ツインズは双子だから関係ないとして自由に交替しているのだ。
「リーダー、頑張れ! あと少しでタッチできる!」
「……時間掛けすぎたぜ。千秋、決めるぞォ!」
「ったりめぇだ!!」
立っているのもやっとな和美に千春が組みつき素早く背後をとってバックドロップ。千秋はそのモーションに合わせて和美の頭部の落下点に向かって体重のせた重いキックを放つ。
「レッドー!!」
ファンの悲鳴があがる。絶対絶命の一瞬が訪れようとしている。――が、その瞬間はこない。代わりにリングにうずくまるのは村上ツインズ。何が起こったというのか。
「間に合ったね」
「時間だよ、リーダー」
負傷欠場していたはずのみずきと早瀬が乱入していた。
「……まったく。お節介なんだから」
仲間の登場に胸が熱くなる。力が湧きだしてくる。勝機は我にあり。この闘いを終わらせるのだ。
「みんな、あたしに力を貸してぇー!」
和美の己を奮い立たせる叫びに応と頷くみずき/早瀬/美姫/光。
「ジャスティス・バリスタ! シュート!!」
リング下の美姫がロープを思い切り引っ張る。その美姫をクラッチしてバックドロップする光。ロープが瞬間的に下へ引っ張りこまれる。和美は絶妙のタイミングでそのロープに飛び移る。弓矢のようにリング上空にはばたく和美。リングでは別のロープへみずきと早瀬に振られた村上ツインズがリング中央で鉢合わせ――そこへ鋭い矢の一撃が突き刺さった。
終劇。
屁理屈も理屈のうち。理不尽にはヒーローの正義を示し完膚無き一撃を以て勝ち名乗りをあげた我らのジャスティスWは悪の世界征服プロレスの陰謀を打ち破った。
この後、悪名高き世界征服プロレスの快進撃はなりを潜める。一説には悪の大幹部たちが一斉に引退を表明したため、今までのような興行が打てなくなったと云われている。
しかし、安心してはならない。第二第三の悪の権化たる世界征服プロレスがまた息を吹き返すかもしれない。
闘え! JWP!
明日のプロレス界に光をもたらすのだ!!
「……っていう夢みたんだー。世界征服さんの活動低迷してるし、このあたりで大きいイベントあると楽しいよね?」
「確かにね。世界征服さんの幹部連がいなくなってから、殴り込みもしない団体だもん……って、私たちが企画していいもんじゃないよ」
「ダメ? うーん」
JWP興行会議の夜はこうして更けてゆく。
おしまい。終劇?
後記:
シリアスのままに終わりませんでした。
どちらの団体もとっても濃いので、実際にはもっとおバカな内容かも。
襲撃と終劇を掛け合わせておりますが、いかがでしたでしょうか。
レッスルファンの皆様、怒らないでね。
《2007/11/01》