翔女PRESS

□愛と友情と勇気のお題目
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05:水着
背景:愛の軍団[翔皇女子]の日常。新人ならではのお話。


「水着ですか?」
「これから必要になるし、自分で選んでおきなさい」

 水着? 今はまだ寒い時期だと思うんだけど。そういえばバカンスが頻繁にあるとかそんな噂を聞いたような気もするな。……にしたって、試合もしてないのにバカンスの用意させる団体って違うんじゃないか。

「杉浦さん、近藤さん、水着屋さんにいくわよー」
「はい」
「…………」

 一度疑ってしまったからかどうも気分がのらない。――ああ、もう。わかったよ!――同期の美月があたしを呼んでいる。なんで、あんたはちょっと嬉しそうなんだよ! 水着買いに行くだけだぞ!


 霧子さんの車に乗せられ着いた先は街のブティックじゃなくて小汚いビル。あたしたちを引きつれてビルの中へずんずんと進んである一室へ。そこであたしが見たのは――。

「どうしたの、近藤さん? 入ってらっしゃい」

 あたしは勘違いをしていた。買いにきたのは水着は水着でもレスラーの商売着のリングコスチュームの方だったんだ。

「本当にどうしたんです? 顔が赤いように見えますが具合でも?」
「違、違うんだ、あたし……水着間違いをしていて……その」
「ああ。なるほど」
「だから、近藤さんおかしな顔してたのね」

 ああもう。にやにやしないでくれ。恥ずかしい!


「……そんなこともありましたね、真琴」
「昔の事をいつまでも。意地悪だな、おまえ」
「へぇ、マコさんでもそういう勘違いするんだ」
「……ふーん……」

 ま、確かに恥ずかしい思い出だけど。アレはアレで美月との距離を縮めるイベントだったんだ。よかったんだよ。……そう思わせてくれ。本当にさ。



後記:
はい。愛バージョンの水着エピソードです。
プロレス好きならともかく他の競技出身者や素人には水着という言葉だけでは業界用語はわからないというネタ。
N様のお題SSでも匂わせた通り、このお話はマコちゃんが主役でした。
楽しんでいただければ幸いです。

《2007/11/01》
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