ボカロ

□鏡音 レン
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『俺のマスター』


リビングでテレビを観ながらバナナをもしゃもしゃ食べる可愛い我が家の王子様。

その姿をマスターであるゆらはほぅ・・と溜息をつきながら熱い眼差しで見つめていた。

「ほぅ・・」
「・・・・」
「ほぅ・・」
「・・・ねぇ、うざいんだけど」

熱い眼差しと溜息に耐え切れなくなったのかレンがややイラついた様子でゆらを見た。

「はぅ!」
「・・今度は何?」
「いきなり向かれたら・・心の準備が・・」

「まぶしい!」そう言って顔を隠すゆらを呆れたように見て溜息をついた。

「バカ?」
「!レ、レンになじられた!!!」
「・・・・・」
(こいつ、Mか・・)

頬を染め「いやーん!」と嬉しそうにはしゃぐゆらに引き気味の眼差しを送った。

「マスター、俺テレビ観たいんだけど」
「うん!観たらいいよ!!」
「・・」
(いやいや、お前の視線が邪魔で集中して観れないんだよ!)

ニコニコして手でテレビを指差すゆら。

「・・もう、いいや」

テレビを観るのを諦め部屋に戻ろうとしたレンの手をゆらが慌てて掴んだ。

「あれ?テレビ観ないの?」
「・・・うん」
(こいつ無自覚か・・)
「じゃあ、私も部屋戻る!」
「・・あっそ」
「へへ」

レンが部屋に戻ると分かるとニコと笑い後ろを着いてきた。

(・・視線が)
(本当に可愛いなぁ)
(やっぱり、リビングに戻ろうかな・・)

部屋に帰っても変わらず熱いまなざしで見つめられるレン・・

「あれ?どこ行くの?」
「・・・リビング」
「じゃあ、私も!」
「・・ついて」

着いてくるなよ!と言いかけたが袖をぎゅっと掴まれふにゃりと笑いかけられレンは何も言えなくなった。

「・・か、勝手にすれば?」
「うん」
(やっぱり可愛い)

そんなレンを見てゆらは分からないようにクスクスと笑った。


バカでうっとおしい奴だけど

そんな奴が俺のマスター

(ようはほおっておけねぇーって事!)



END
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