生徒会の日常生活

□議題4:『私の居場所は生徒会ですから…!』
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日「あの…ところで私弓道ってやったこと無いんですけど…」






弓矢を交互に見ながらゆがけなどの道具に苦戦していた






心「弓道の動作って言うのはね、基本《射法八節》って言って…」






そんな日和に心愛は説明した






日「……へぇそうなんですかぁ」






だが日和はイマイチ興味がわかずきょとんとしていた






心「(あ、絶対分かってないなこの娘)」






梓「ねぇ日和ちゃん

もし勝ったらね…」






そこまで言いかけた梓は日和に耳打ちした






日「ほんとですか梓先輩!!?

約束ですよ!?私、頑張りますからッ!!」






きょとんとしていた日和の表情が一気に変わり目を輝かせていた






心「(何を吹き込んだのかしら…?)」






そんなことを心愛は思っている間に日和はパタパタと小走りに位置についた







「「「「「(ほんとに大丈夫か…?)」」」」」






そんな心配をかけられているのも知らずに日和は先程、きょとんとしながら心愛の話を聞いていたのにも関わらずすんなりと弓矢を構えた






榊「(あれが素人の動き!?

ありえない…!!)」






日和のさも経験者と言わんばかりの動作に榊原が一番驚いていた








スパンッ







矢は勢いよく飛び出し音を立てて見事的のど真ん中に刺さった






それにより日和の勝利が確定したのだった






寒「勝ったのか…?」






笹「そうみたいですね」






日「やった…!梓先輩勝ちましたよー!!」






ニッコリと笑いながら日和は梓に飛びついた






梓「うん、お疲れ様よく頑張ったわね」





梓は日和の頭を優しくなでた





日「あのっ…!それでですね…」






梓「安心して日和ちゃん約束は守るから」





その様子をただただ榊原は眺めぽつりとつぶやく






榊「俺…負けたんだな」






そのつぶやきに反応したのはいつの間にか隣にいた渚だった






渚「まあ、こっちもこっちで卑怯なことしたからな


だからって文句を言われる筋合いも無いが」





すると榊原は少し自嘲気味に笑った






榊「そんなのは分かりきっているさ


それに負けてよかったって心底思うよ


今思えば僕は最低なことをしたんだからね」






渚「…別にこれから繰り返さなけりゃそれでいいんじゃねーの?
梓自身は気にしてねーよ」






榊「(それはそれで傷つくんだけどな)


でも意外だったよ、渚ならキレて《イベント》どころじゃなくなると思ってたんだけど…」






渚「は?なんでだよ」






榊「いやだって渚は妹萌えだろ?」






渚「よし理人、今から俺と勝負しろ



的はお前の頭か心臓好きな方を選べ






「どちらにしろ僕が的じゃないか」と言いながら榊原はクスクスと笑った






榊「ってことは違うんだね意外だな」






渚「どこが意外なんだよ妹萌えなん所詮妹が居ない奴の妄言だろーが




お前こそ本気で梓に惚れてるだろ







その言葉に一瞬だけ驚き目を見開いた






榊「ああ、そうだな好きだよアズのこと///


よく分かったな」





榊原の頬には少し赤みが挿していた






渚「そりゃあ幼なじみだからな」






榊「…そっか」





そう言って榊原は梓と日和に近寄って話しかけた






榊「北條さん…だったねさっきはすごかったよ経験者かい?」





日「いいえっ!初めてですよ♪

ただ梓先輩が勝ったらご褒美くれるって言ってたので!」





榊「ご褒美…って耳打ちしてたときのか?」





それには梓が答えた






梓「そうですよ、日和ちゃんに勝ったら来月発売の『鬼〇語』買ってあげるって約束をしたんです

彼女もオタクですから」





梓は苦笑いを浮かべた





榊「(さしずめ僕のときと逆パターンってわけか)

そういうことか

北條さん、君がよければ弓道部に入らない?
君なら歓迎するよ」






その問いに日和はキッパリと言った






日「私の居場所は生徒会ですから…!」






榊「そっか…ちょっと残念

ところで肩、大丈夫?ケガとかしてない?


って言っても僕のせいなんだけど…ほんとに悪かった」





すでにベストで隠れた梓の肩を申し訳なさそうに見た





梓「気にしないで下さい制服の変えはまだありますし、もう繰り返さないでくれればそれでいいですから


理人先輩」





榊「!?/////」






梓「…嫌でしたか?

昔みたいに呼び捨てはできませんけどせめて下の名前で呼ばせて下さい



幼なじみなんですから」






そう微笑んだ梓の表情にさらに顔に熱が集まるのがはっきり分かった






榊「懐かしいね、嬉しいよ///アズ



(こんなことされたら余計、惚れてしまうじゃないか///


俺…もうあきらめきれねーよ///)」






榊原は赤く染まった顔を見られないように片手で顔を覆った






こうやって下校時刻を知らせるチャイムが校内に鳴り響いた







end
 

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