Memorise ― 僕らがいた証 ―

□Memorise 第七章 最後の試合(ゲーム)― 僕らは一つ ―
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Seventh game
最後の試合(ゲーム)―― 僕らは一つ ――

 その三日後に、合宿は終わった。もう、明日は決勝戦。

相手校は最上中と並んで優勝候補と言われている学校。

 こころは不安を感じていた。自分は最後まで見届けられるだろうか、と。

最近では、体がふわりと浮くような感覚を、何度も経験している。

 もう本当に最後なんだな、とこころは感じていた。
























 眠れない夜が明けて、ついに決勝の日。こころたちはアリーナに着いた。

ユニフォーム姿の仲間たち。涼矢と蓮が、二人に近づいてくる。

「どうしたの?」

「なぁに?これ?」

 蓮と涼矢は何か袋のようなものをこころたちに渡した。

「開けてみろ」

 涼矢に促されるまま、二人が袋を開けた。そして、二人ともあっと声を上げる。

「これって……」

「私たちの、ユニフォーム?」

 袋に入っていたのは、最上中のユニフォーム。レギュラーたちのと同じユニフォームだ。

背中には、こころのには『Koko』、美鈴のには『Suzu』と名前が刺繍されている。

 二人は驚いて、顔を見合わせた。かわるがわるユニフォームを眺める。その瞳には、微かに涙が浮かんでいた。

 きっぱりと涼矢が言った。

「俺たちは六人で試合をするんじゃない。ココ、スズ、お前らも、仲間なんだ」

 勇斗がVサインを送って、にっと笑いながら言う。

「だから、ココもスズも同じユニフォームを着て、応援してくれ。これが、俺たち三年生にとって、最後の試合だから……」

 蓮が『だろ?』と涼矢に向かって言う。涼矢はうなずいて、手を出した。

「手だけで、いいんすか?」

 誠一はそういうと、隣にいた史也と博明と肩を組む。

「どーせだったら、円陣組みません?」

 誠一はニヤッと悪戯っぽい笑みを、こころと美鈴に向けた。

「……そうだね!」

 そして全員で肩を組んで、円になった。キャプテンの涼矢が叫ぶ。

「全国優勝するぞ!最上中、ファイトーッ!!」


「「オーッ!」」
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