Memorise ― 僕らがいた証 ―
□Memorise 第六章 仲間の笑顔― きっと忘れない ―
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Sixth game
仲間の笑顔―― きっと忘れない ――
こころたちはビーチバレーを楽しんだ。実際にやってみると、いろいろなことが分かった。
涼矢の癖、蓮の作戦、博明と史也のチームワーク、勇斗の真剣な表情、誠一の子供っぽい一面、そして、美鈴の運動音痴も。
こころは必死でボールを追いかけた。どんなに下手なレシーブも、チームメートの涼矢や史也がカバーしてくれる。
『ナイスファイト!』涼矢のその言葉が、史也の笑顔が、博明の控えめなウインクが、こころの気持ちを温かくさせた。
相手チームのメンバーも、こころにとって、心安らぐ人たちだ。
ポイントを取られるたびにむっとした顔をする誠一。
『次は取るぞ!』と気合を入れる勇斗。
『足引っ張んなよ?』とからかう蓮。ボールを追いかけるものの、顔面でレシーブして、泣きそうな顔で謝る美鈴。
ずっと一緒に過ごしてきた仲間たちの、いろいろな一面。今まで知らなかったような一面を、たくさん見ることができた。
こころは、この合宿を企画してくれた涼矢に感謝していた。そして、一緒にビーチバレーをしようと言ってくれたことも。
一緒にプレーすることで、もっと近くで仲間を感じると、こころは思った。
マネージャーとして、見ているだけの時よりも、ずっとずっと強く……
それと同時に、寂しさもこみあげてきて、こころは必死に涙をこらえた。