Memorise ― 僕らがいた証 ―
□Memorise 第四章 本当に大切なこと― 家族と仲間 ―
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Forthgame
本当に大切なこと―― 家族と仲間 ――
手紙を書いた数日後……
地区予選二次リーグに向けて、最上中バレー部は一生懸命練習していた。こころと美鈴も、それを必死にサポートしていた。
そんなある日。
「ねぇ、ココちゃんの手紙、向こうの家族に届いたかなぁ……」
「うん。届いたと思うよ……父さんたちに、ちゃんと届いてほしいな」
こころは青い空を見上げながらそう言った。初夏のまぶしい光が、二人を照らす。
「ココちゃん入れて、五人家族だっけ?」
「うん。父さんと、弟一人、妹が二人」
美鈴はきょとんとして、訊ねた。
「……お母さんは?」
美鈴は、訊いてから「しまった!」という顔をした。こころは気にしないでというように、首を振って微笑んだ。
「三年前に死んじゃったんだ。私がそれ以来母親代わりで……
カイも、メイもルイもすっかり落ち込んじゃってて……私がフォローしなきゃって思ったの」
「そっか。……そろそろ行く?練習終わるころだよね?」
こころがうなずいて立ち上がった瞬間。彼女の頭に何かが落ちてきた。
「痛い!なに?これ……」
「何かのディスクみたいだね」
こころの声に、仲間たちが集まってきた。こころは落ちてきたディスクを見せる。博明はそれを見て言った。
「何かが記録されてるかもしれないね……」
「見てみようよ!いいだろ?リョウ」
「……わかった。コンピューター室借りてくる」
珍しく、涼矢が史也の意見に同意して、ほかの部員に片づけの指示を出した。
ほかのメンバーはコンピューター室に走って行った。