Memorise ― 僕らがいた証 ―

□Memorise 第二章 チームメイトと大親友― それぞれの強さ ―
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Second game
 親友とチームメイト ―― それぞれの強さ ――


こころは三年B組になった。美鈴と同じクラスだ。ついでに、史也とも同じクラスだった。

「良かった。スズと同じクラスで」

「私もよかったよぉ。ココちゃん!」

 二人が同じクラスになった喜びを感じていると、こころはまた史也に後ろから抱きつかれた。

「フミっ!いきなり飛び着かないでよ!びっくりするじゃん!」

「あ!わかってくれたんだ?俺だって!」

「だって、こんなことするの、あんたくらいしかいないでしょう!?」

 こころの言葉に、美鈴は笑いながら言った。

「ココちゃん、大分私たちのテンポに慣れてきた?」

 美鈴の、面白そうな笑顔。明るい、優しい笑顔。こころは不思議だと思った。

昨日であったばかりなのに、こんなに仲良くなれるなんて。

 そして、こころはそんな美鈴に、ある人物の姿を重ねていた。

「……ココちゃん?」

 不意に黙り込んだこころを、美鈴が心配そうにのぞきこむ。こころは、少しさびしそうに笑った。

「ううん。スズの笑顔見てたら、向こうの世界での友達を思い出して……」

「そっか。ココちゃん、向こうの世界でも、たくさん友達いたでしょ?なんか、そんな感じする」

「うん。でもね、一人だけ、大親友って言える子がいたんだ。

そのこさえいれば、いいやって思えるような子…その人に、スズが似てるから、ね」

 美鈴は、そんなこころの声に、微笑んだ。

「そうなんだ。ありがと。何か私……うれしいな」

美鈴がそういったとき、史也が走ってきた。

「ずるいぞースズ!俺も!俺も、ココちゃんの友達!」

 こころが思わず悲鳴を上げる。美鈴がそれを見てはじけるように笑った。

――― 楽しいから、いいよね。今、すごく楽しいから。短い間でもいい。たとえ、期限付きの命でも……


 こころはそんなことを考えていた。
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