みはえる

□隣で寝ていた君はもう、
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「っああ、」
「っく!」

甲高い声が部屋中に響いて
虚しい行為が終わりを告げた。

消えることのない、左手首の醜い傷と
消えるわけがない、心に根付いた闇が
どこまでも私を苦しめる。

薄れゆく意識の中で
ぼんやりと思い浮かべたのは
隣で寝てる君は、目が覚めたころには・・・。



「・・・、やっぱり」

分かっていたはずだけど
いつもいつも、目が覚めたときの
シーツの冷たさには慣れることがない。

慣れたくない。


水が飲みたくて
けだるく、重い体を無理やり起こそうとしたら
ベッドサイドのローテーブルに
ミネラルウォーターのペットボトルが置いてあった。

気が利くのか、利かないのか。

あるいは、気付いてて
気付いてないフリをしているのか。

自分は、最低な人に惚れてしまった。
最低な人との最低じゃない夢を、未来を、想像してしまった。

あるいは、
最低なのは自分なのか。

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