The lost marriage

□結婚後の朝
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朝日が差し込んで眩しい。





「ん…」



目が覚めるとしばらく見慣れなかった天井。
…あぁ、恭弥の部屋だ。

隣をチラッと見てみると恭弥がまだ寝ている。



「…ふふっ」



久しぶりに見たような恭弥の寝顔。

ここ数日間は見ていたのにやっぱり数ヶ月見ていなかったに等しいから久しぶりに感じた。


相変わらず可愛い寝顔だなぁ。




「ん…沙羅?」

「あ、恭弥起きた?」



どうやら恭弥が目覚めたようで、細い目で私を見ている。

その表情はまだ眠そうだ。



「沙羅、動かないでよ」

「え…ちょっと…!」



だけど恭弥はそれだけ言って私の背中に手を回して再び眠ってしまった。


…恭弥、このまま寝ないでよ。
すごく恥ずかしいんだけど…!


そうは思っても恭弥は既に眠っている。



…でも嬉しいなぁ、と感じているのが本心で。

ついニヤケている私がいた。




「…恭弥」

「……」



私は眠っている恭弥の名前を呼んでそっと頬に触れる。

そして…




「…大好き」




それだけ言って触れていた頬を撫でた。




…あぁ、もうこれ以上にないくらい幸せだなぁ。




こんな日々が毎日続くんだ。




そう考えると顔がさらに緩む。





そして私はいつのまにかそのまま恭弥の温もりを感じながら眠りについていた――…








(「おはよ、沙羅」)
(「あれ…いつのまに私寝てたんだろ」)
(「ねぇ、さっきみたいに大好きって言ってよ」)
(「…!(し、幸せすぎて恭弥は音たてたらすぐ起きるってことすっかり忘れてた…!)」)



end
 

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