The lost marriage

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「…!」




白い小さな箱。

開けて中身を見た僕は思わず絶句した。





「これ、は…」





中には銀色の綺麗に光る指輪だった。

指輪の中心には小さいダイヤモンドのような宝石が埋め込まれていた。


なんでこんなものが…?




「…っ……」





ドクン




綺麗に光るこの指輪



指輪を見ると脳裏に浮かぶのは水瀬沙羅






「恭弥」




笑顔で僕の名を呼ぶ君





「ねぇ、明明後日だね」




……何が?

明明後日に一体、何が――…





「結婚式かぁ…なんかこれから恭弥と夫婦だなんて夢みたい」





結、婚?



僕と君、が?






「っ…あ」




ズキンと頭に痛みが襲う。

水瀬沙羅、君は僕の――…







「恭弥」







「…!沙羅…」







今、全て分かった




全部、思い出した






今まで僕は、僕はっ―…!






「沙羅っ…!」




全てを思い出した僕は今までの自分の行動に苛まれた。


何故今まで忘れてしまっていたのだろう

何故沙羅のことを――!


そんな思いでいっぱいだった僕だが後悔ばかりしていられない。




早く沙羅に会って、全てを話さなければ―…!




僕は沙羅を探すために部屋を出てそのまま財団を出てアジトに向かった。






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