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□校則違反
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その後、どうにかして雲雀さんに離れてもらったけど何か今日という今日は納得できない。



「…てか別に私よりもっと短いスカートの子普通にいますよ。
それにもっと濃く化粧してる子だって…その子達には注意しないんですか?」



話をそらすように私がずっと疑問に思ってたことを雲雀さんに聞いてみた。

今までも何度か聞いたけど納得できる回答は返ってこなかったけど…。



「そんなのどうでもいいよ」



…ほら、いつもと同じ意味が分からない答えが返ってきた。

絶対に納得できない…。




「じゃあ僕も聞くけどどうしてこんなに注意するのに直さないんだい?」


「……」



逆に聞き返されてしまった。
てかこの回答……どう答えればいいんだろう。

本当の事を言ったら多分雲雀さんに私の気持ちバレる。
でも今以上に距離を離れたくない……どうしよう…。




「ねぇ、聞いてる?」



ズイと私の方に寄ってきて、さっきとあまり変わらない状況になってしまった。

そんな雲雀さんのオーラは今までとは違い、絶対言えと言っているような感じだった。




「…だって好きな人には可愛く見られたいじゃないですか」



ぼそり、とこう言った。
これも本音には変わりないし、とにかく”雲雀さんに会いたいから”なんて言えるわけがない。

でもなぜか今雲雀さんの顔つきが変わった。




「…好きな人……?」


「え……あ、はい……」




なんだろう、ものすごく怖い…。




「じゃあ僕はその君の好きな人を咬み殺してくる」

「…は?」

「いいから誰か教えなよ」

「いや、無理でしょっ!」



そんな雲雀さんは今まで見たことがないくらいに本当に恐ろしかった。
本気でトンファー構えてるし……とにかく怖い!!



「早く教えてくれない?僕は今苛ついてるんだ」

「教えたところでどうするんですか!」

「だから咬み殺してくる」

「自分を咬み殺すとか無理に決まってるじゃないですか!!」

「……自分?」

「…………あ」




気づいた時にはもう遅かった。


私は口が滑ってしまったのだ。
勘が鋭そうな雲雀さんならきっと気づいてしまうだろう…。

雲雀さんは一瞬動きが止まったが何かを悟ったようにトンファーを構えるのをやめた。




「それどういうこと?」



ほら、やっぱり聞かれちゃった。





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