Short

□親馬鹿の定義
2ページ/3ページ





「んー…ままとぱぱ…なんのはなししてるの?」




今まで昼寝をしていた淳。
目が覚めて僕達の会話が聞こえたのだろう。

淳は目をこすりながら小さな歩幅で僕達の方に寄って来る。


そしてその質問に答えたのは**だった。





「んー?あのね、恭弥が親馬鹿って話してたんだよ!」


「おやばか?」





…何てこと言うんだ、**は。


淳が興味津々に聞き返しているじゃないか。





「何言ってるの?それは**だよ」




さすがに淳にまで親馬鹿なんて思われるのは嫌だ。
と言うよりそんなの子どもが知ったら調子に乗るだろう。


最もまだ淳は3歳をやっと迎えたばかりだからそんな言葉は知らないと思うけど。




「でも恭弥もなの!恭弥の親馬鹿ー!」


「…ぱぱのおやばかー!」





…あぁ、ほら。

淳が**の真似してしまった。




「…淳、親馬鹿の意味知ってるの?」


「しらないけどぱぱはおやばか!」


「…はぁ」





僕は一度ため息をつく。

…何だかもうどうしようもない気がする。


**も淳も楽しそうに「親馬鹿親馬鹿」とずっと言っている。

もしかして僕からかわれてるわけ?




……後で**にはキツく言っておこうかな。

さすがに淳がいる前では言えない。







でもこんな生活が、光景が





何だか楽しくて愛しいって思えてしまう





…ひょっとしたら僕にも少しだけだけど







親馬鹿の要素があるのかもしれないね












(「ぱぱ、ばか!」)
(「ちょっと。何で“親”が抜けたわけ?」)
(「ばか!ばか!」)
(「(…いつか咬み殺す)」)





end


あとがき→
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ