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□親馬鹿の定義
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「んー…ままとぱぱ…なんのはなししてるの?」
今まで昼寝をしていた淳。
目が覚めて僕達の会話が聞こえたのだろう。
淳は目をこすりながら小さな歩幅で僕達の方に寄って来る。
そしてその質問に答えたのは**だった。
「んー?あのね、恭弥が親馬鹿って話してたんだよ!」
「おやばか?」
…何てこと言うんだ、**は。
淳が興味津々に聞き返しているじゃないか。
「何言ってるの?それは**だよ」
さすがに淳にまで親馬鹿なんて思われるのは嫌だ。
と言うよりそんなの子どもが知ったら調子に乗るだろう。
最もまだ淳は3歳をやっと迎えたばかりだからそんな言葉は知らないと思うけど。
「でも恭弥もなの!恭弥の親馬鹿ー!」
「…ぱぱのおやばかー!」
…あぁ、ほら。
淳が**の真似してしまった。
「…淳、親馬鹿の意味知ってるの?」
「しらないけどぱぱはおやばか!」
「…はぁ」
僕は一度ため息をつく。
…何だかもうどうしようもない気がする。
**も淳も楽しそうに「親馬鹿親馬鹿」とずっと言っている。
もしかして僕からかわれてるわけ?
……後で**にはキツく言っておこうかな。
さすがに淳がいる前では言えない。
でもこんな生活が、光景が
何だか楽しくて愛しいって思えてしまう
…ひょっとしたら僕にも少しだけだけど
親馬鹿の要素があるのかもしれないね
(「ぱぱ、ばか!」)
(「ちょっと。何で“親”が抜けたわけ?」)
(「ばか!ばか!」)
(「(…いつか咬み殺す)」)
end
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