Short

□策略と幸せを
2ページ/7ページ


そんな日々が続く毎日。

ある日久しぶりにお父さんに呼ばれたので
休暇をもらって実家に帰るとこんなことを言われた。





「**、お前そろそろ将来のことを考えたらどうだ」


「将来?」




一体何のことだ。

将来のことと言えど私はまだ20代に入ったばかりだし
ボンゴレボスの秘書として平凡にやっている。

…いや、マフィア関係の時点で平凡ではないかもしれない。


だけど特に心配されることはないはずなのに。




「そうだ。今はまだ早いと言うかもしれないがこのご時世、早めに決めておいて損はない。

と言うわけで**、お見合いだ」


「お見合い…」




なるほど、お父さんはこれを言いたかったのか。


お見合いか…。

叶わないと言っても好きな人がいるためあまり気が進まない一方
引き受けて今の恋を全て忘れてしまいたい、そんな気持ちが交差していた。





「…確かに今すぐだと急すぎるかもしれないが…
今お付き合いしている人がいないなら受けてみるといい。

相手の方には全く不足はないからな」


「……」




お父さんの言葉に少し揺らぐ私。

そんなに相手の人はすごい人なのか。

だからと言って…と言うわけではないけれど、
何だかだんだん引き受けて吹っ切れたい気分になってきた。


付き合っている人なんかいない、…だったら別にいいよね?


そう思った。





「ちなみにこれが相手の方のプロフィールだ。
お前のよく知っている相手だぞ」


「……!?」





そう、お父さんが渡してきたそのプロフィールを見るまでは。

私は目を見開くほど疑った。



だってそこに書いてある名前は




「沢田綱吉」…間違いなくボスの名前だったから







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ