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□策略と幸せを
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そんな日々が続く毎日。
ある日久しぶりにお父さんに呼ばれたので
休暇をもらって実家に帰るとこんなことを言われた。
「**、お前そろそろ将来のことを考えたらどうだ」
「将来?」
一体何のことだ。
将来のことと言えど私はまだ20代に入ったばかりだし
ボンゴレボスの秘書として平凡にやっている。
…いや、マフィア関係の時点で平凡ではないかもしれない。
だけど特に心配されることはないはずなのに。
「そうだ。今はまだ早いと言うかもしれないがこのご時世、早めに決めておいて損はない。
と言うわけで**、お見合いだ」
「お見合い…」
なるほど、お父さんはこれを言いたかったのか。
お見合いか…。
叶わないと言っても好きな人がいるためあまり気が進まない一方
引き受けて今の恋を全て忘れてしまいたい、そんな気持ちが交差していた。
「…確かに今すぐだと急すぎるかもしれないが…
今お付き合いしている人がいないなら受けてみるといい。
相手の方には全く不足はないからな」
「……」
お父さんの言葉に少し揺らぐ私。
そんなに相手の人はすごい人なのか。
だからと言って…と言うわけではないけれど、
何だかだんだん引き受けて吹っ切れたい気分になってきた。
付き合っている人なんかいない、…だったら別にいいよね?
そう思った。
「ちなみにこれが相手の方のプロフィールだ。
お前のよく知っている相手だぞ」
「……!?」
そう、お父さんが渡してきたそのプロフィールを見るまでは。
私は目を見開くほど疑った。
だってそこに書いてある名前は
「沢田綱吉」…間違いなくボスの名前だったから
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