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□甘さ控えめに
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「え…恭弥くん、それってどういう意味?」
私が食べさせる…?
ってことは「はい、あーん」みたいな感じだろうか。
いやいや、でも恭弥くんがそんなことをするとは思えない。
だから恭弥くんに聞いてみると、彼から返ってきた答えは私の予想以上のものだった。
「だから食べさせてよ、口で」
「はい…?」
今、恭弥くんは何て言った?
食べさせる?
誰が、私が。
どうやって?
口で---…?
「ええっ!無理だよ、恭弥くん!何言ってんのさ!」
「無理とかじゃないよ、**。
だいたい**に拒否権なんかないんだから」
「……………」
ああ、そうだよ。
彼はこう…何というか理不尽な人だ。
拒否権なんか私に与えられるはずがない。
「ほら、早くしなよ、**」
黙り込む私にニヤリと笑う恭弥くん。
絶対確信犯だ、恭弥くん。
普通はそんなこと出来るわけ無いのに。
そのことを考えてしまうと顔が熱くなる。
だから行動に移せないでいたのだけれど、
そんなこと恭弥くんが許すはずもなくて。
「早くしないと咬み殺すよ」
絶対命令のように言い放つ恭弥くん。
ああ、やっぱり私は
恭弥くんには適わないなぁ
私はためらいながらも決意をして作ったチョコレートのラッピングを取り、
中からチョコレートを取り出した。
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