Short
□甘さ控えめに
1ページ/4ページ
今日は世間一般行事のバレンタイン。
毎年義理とか友チョコしか作ってなかった私だったけど…。
だけど今年は----…
ちゃんと本命がいるんだ
「恭弥くん!」
「どうしたの、**。そんなに勢いよく入って来て…」
私が勢いよく扉を開けて入ったのは応接室。
だって…彼氏である恭弥くんがいるんだから。
会えると思うと嬉しくなってつい勢い余ってしまったようだ。
「恭弥くん!今日何の日か知ってる?」
「うん、女子生徒が校則を破る日」
「え…」
…それが恭弥くんのバレンタインの覚え方なのだろうか。
いや、確かに女の子がお菓子持ってくるけど…
恭弥くんらしいと言えば恭弥くんらしいかもしれない。
でも---…
「恭弥くん、それじゃあこれも校則違反?」
私が鞄から出したものはバレンタイン必須のチョコレート。
一昨日から昨日にかけて頑張って作ったものだ。
私は恭弥くんにそれを見せると恭弥くんは少し黙り込む。
おそらくこれが何かが分かっているのだろう。
すると恭弥くんはニヤリと笑って、そして言った。
「うん、違反。だから…」
その時の恭弥くんの表情はかなり妖艶な笑みに見えた。
恭弥くんがあんなに妖しく笑うなんて何だか少しだけ嫌な予感…。
「そのチョコレート、**が僕に食べさせてよ」
その予感は当たってしまったのかもしれない。
・