Short

□適わない
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「ねぇねぇ、雲雀くん」


「何」




ここは並盛中学校応接室。
風紀委員であって彼女である私は雲雀くんと一緒にいることが多い。

今私は彼に勉強の質問をしているところだ。



「これどうやって解くの」


「はぁ…また勉強の質問かい。何度も言ってるでしょ、これは…」




彼は何でも出来る。

少なくとも私が出来ないことは全てと言っても過言ではないと思う。

勉強も出来れば運動神経も良い。


…それなのにこんなにかっこいいなんて反則だ。




「…ねぇ、聞いてる?」


「!わわっ、びっくりしたぁ…。
そんなに顔近づけないでよ!」


ふと気付くと雲雀くんの顔がかなり近くにあった。
例えるならりんご2個分くらいの距離。

近すぎて心臓がいつも以上にドキッと高鳴る。
ただでさえ彼といるだけでドキドキしているのに。




「**が名前呼んでも気付かないからだよ」



そう言って微笑む雲雀くん。

普段あんまり笑わないからもう心臓がはじけそう。


こんな人が彼氏だなんて未だに信じられないなぁ。




「ほら、勉強は終わっただろ。

帰るよ、**」



そうは思っても微笑んでそう言ってくれる彼。
みんなから最凶風紀委員長って呼ばれてることが信じられないくらい優しい。


だからやっぱりそんな優しい面が見られるなんて私の彼女の特権だ。




「うん!」



私は嬉しくなって笑顔で答えた。

帰りは雲雀くんのバイクに乗せてもらって帰ったのだ。







適わない
(やっぱり何もかも貴方には適わない)
(そんな貴方は私の自慢で大切な人)





end
 

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