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□そう言って貴方は
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「サスケー」
「…………」
「…サスケさーん?」
「………………」
後ろから何度もサスケを呼んでいる**。
しかし彼は何も反応しない。
「サスケーっ!」
「…うわっ!**、いつからいやがった!」
反応しないサスケに近付いてもう一度名前を呼ぶとやっと反応した。
…ずいぶん大きな反応だったが。
「さっきからずっといたよ?ほら、一緒に帰ろうよ!」
「あ、あぁ…」
サスケがなんだか素っ気ない反応をしながら歩き始める二人。
もともと今日はサスケと一緒に帰る約束をしていた。
だから**はサスケの側にずっといたのだが、
サスケはずっと何かを考えているようで**に気付かなかったようだ。
「…………」
「…………」
しかし歩いている帰り道、無言の二人。
会話も無ければ手もつないでいない。
ただサスケの方が歩くのが早いだけ。
**はサスケの背中を見ることしか出来ない。
「ねぇサスケ…」
「…何だ」
その言葉が沈黙を敗る。
それと同時にサスケの歩いている足も止まった。
「今日…ていうか最近のサスケ、なんか変…」
「……………」
そう、最近…と言うより付き合い始めた頃からのサスケは何だか変なのだ。
**はずっと気になっていたことをついに聞いてみた。
サスケはしばらく無言だったがやがて口を開く。
「…仕方ねーだろ。
好きな奴が…こんな近くにいんだからよ」
「!」
聞き間違いだろうか、と思うほど信じられない言葉。
**は嬉しさと驚きの表情でサスケを見る。
サスケの表情は後ろからなのであまり分からないが、
ほのかに頬や耳が赤くなっているのが分かった。
するとサスケは**の方を振り返って一言。
「…だから嫌いとかじゃねーから心配すんな!」
そう言って貴方は
(私の手を引いて歩き出した)
(赤い頬の貴方を可愛いって思ったのは秘密)
end
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