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□奪われたファーストキス
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もくもくとあがる煙がだんだん引き出すと共に見えてくる視界。




「あれ…恭弥くん…?」



私は側にいたはずの恭弥くんの方を見る。

そこには確かに人影はあったのだが、さっきまでいたはずの恭弥くんはいなかった。





「…ここは……あぁ。あのバズーカか…。」



そこにいたのはかなり長身で細身の男の人。
どことなく恭弥くんに似ている気がしたがやはり恭弥くんではない。

するとその人は私を見てきた。



「やぁ、**じゃないか。懐かしいねこの頃の**は」


「へっ?あの…?」





何で私の名前を知っているのだろうか。

いや、それよりも恭弥くんはどこに行ってしまったのだ。
応接室を見渡すもこの男の人以外いない。

一体何がどうなっているんだ。
そんな混乱した状態でいると、その人は笑って私を見た。





「クス…。僕はそうだな…君の恋人の10年後とでも言っておこうかな。」



私の恋人の10年後…つまり恭弥くんの10年後なのだろうか。

聞いてみるとどうやら未来の新技術で、
あのモジャモジャ頭の子のバズーカにあたると5分間だけ10年後と入れ替わることが出来るらしい。


10年後の恭弥くんは私に近づいてきた。

そして………





ちゅっ




「!」




目の前には恭弥くんの顔。
私は恭弥くんの指で顎を引き上げられ、唇には柔らかい感触がした。

やがて唇の感触がなくなっていくと共に恭弥くんの顔も離れて行った。


それはキスされていたと気付き、頭の中は真っ白になり一気に顔に熱が集中した。





「クス…顔真っ赤だよ」


「…っ恭弥くん…私、ファーストキスだったんだけど…!」





ボンッ



すると私が言い終わったと同時に再び爆発が起き、煙に包まれた。

すごく私にとって大切なことなのに…!






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