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□その距離、残り
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「ベルなんか嫌い!」
「……は?」
突然**に言われた言葉。
いや、意味分かんねーし。
王子が何したって言うんだよ?
「意味分かんねーんだけど?どうしたんだよ、**。」
「……………」
「ししし、無視かよ?訳分かんねー。」
「…ベルなんか知らないっ!」
そう言い残してバタン、と扉を閉めて部屋を出ていく**。
…何で怒ってるの?マジで。
ベルは訳も分からないまま**に続いて部屋を出て行った。
----それから数日
「……………」
俺は自分でも分かるほど苛ついていた。
理由は簡単。
**が完全に俺を避けている。
話そうにも逃げられるし、さすがに王子キレるぜ?
つーか王子にそんな態度とるとか良い度胸だよな。
「ムム…ベルじゃないか。」
そんな時、聞き覚えのある声が俺の名前を呼んだ。
だけど**じゃない。
「…何だよ、マーモンかよ。王子今すっげー機嫌悪いんだけど。」
俺の頭上で聞こえるこの声の主はマーモンだった。
マーモンは何かを悟ったような表情をして嫌味ったらしく言ってくる。
「どうせ**と喧嘩でもしたんだろう。
**なら自室にいるはずだから仲直りしてきたら?」
「は…言われなくてもするっつーの!」
「お礼は次の任務の報酬分で良いから……」
マーモンがそう言い終わった時にはもう既にベルはマーモンの視界からいなくなっていた。
素早く**の自室へと向かったのだろう。
マーモンは驚いたがすぐに微笑み、自室へと戻って行った。
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