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□奪われたファーストキス
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「あれ…恭弥くん…?」


「………………」




そして目の前にいたのは今までの恭弥くんだ。
恭弥くんは何事も無さそうにいつものようだった。

そして私を見る。






「………**、顔赤いけどどうしたの。」


「えっ?いや、その……」



そんなに赤かったのだろうか。
恭弥くんに指摘されて言葉につまづく私。
これって言うべきじゃ…ないよね。
キスされた、なんて…。

でも恭弥くんは何も言わない私を許さない。
鋭い目で私を見てきている。





「…っキス、された…」


「…は?」


「だから…!」



するとその言葉を言い終える前に恭弥くんに抱き寄せられ唇を塞がれる。

私はキスされた驚きや恥ずかしさや嬉しさでいっぱいだったが
恭弥くんはそうでもないようだ。

むしろ何だか怒っている。




「…誰、そいつ。今すぐ咬み殺してくる」



低い声で殺気が出ている恭弥くん。
いや、でもね…。




「そ、その人恭弥くんの10年後だよ!」


「………」




そう言うと恭弥くんは黙ってしまう。
当たり前だ、いくら時代が違っても自分なのだから。



すると恭弥くんは私の顎をくいっと指先で上げて一言。






「じゃあそれを塗り替える。

もう我慢しないから」



「え?」




そしてその言葉を始めに、恭弥くんは再びキスをしてきた。

何度も、何度も。




尽きないキスは応接室に甘い空気が漂わせた。







奪われたファーストキス
(奪ったのは貴方で)
(それを塗り替えたのも貴方)




end


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