へたれ一之瀬の奮闘記
□六話目!
1ページ/1ページ
あのフィディオたちが留学してきてからもう少しで1ヶ月。
みんな、既に馴染んでいた。
そして、俺はなんども溜め息をついていた。
フィディオといると精神的に疲れる…
「それにしても、体育祭か…」
運動は好きだから良いけど、少し面倒なんだよね。
それに今年はフィディオが居るし…
胃薬常備にはなりたくないなぁ…
「そうだよ!!体育祭だよ!カズヤ、一位を狙うよ!!」
「あ、うん…」
フィディオはいつもどうり元気だ。
その元気の一部を分けて欲しいくらいだよ…はぁ…
「カズヤ、元気無いよ?恋煩い?」
「それ好き過ぎだよ…」
最近いつも言われてる気がする。
俺の気のせいでは無い筈だ。
多分。
「そういえば、ここには部活対抗縄跳びっていう種目があるらしいね」
「そうなんだ」
「カズヤ、二回はやったことあるんじゃないの?」
「俺、元々転校生だから」
雷門中では一回も体育祭をしたことがない。
ただ、とてつもなく凄い…らしい。
よくは知らないのだけれど…
なんせ1000人以上いる学校だから、取り敢えず、迫力はありそうだ。
「ふーん…」
「で、それってどんなことするんだろう?」
「えっと、なんかその部活の中で10人代表者を決めて大縄をするそうだよ。ちなみに代表者は出来るだけ3年生じゃなきゃいけないそうだよ」
3年生でということは、俺たちは円堂、半田、染岡、松野、風丸、土門、俺、フィディオ、マーク、ディランの10人か…
ちょうどいるな…
「じゃ、俺たちは普通に?」
「うん、その内の二人が回す人になるらしいよ」
「へぇ…」
「カズヤは回した方がいいんじゃないかな?飛ぶの苦手でしょ?」
「あはは…」
やはり、フィディオにはバレていた。
幼いときから縄跳びは苦手だった。
だからいつも、縄を回していたのを覚えられていたのだろう。
「まぁ、多分今日らへんには決めるんじゃないかな。じゃ、そろそろ部活に行こうよ」
「そうだね」
.