へたれ一之瀬の奮闘記

□三話目!
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「ふぅ…」


やっと、午前中の授業が終わった。
あのあと、フィディオに俺たちと言った意味を尋ねてみたがそのうちに分かるからと教えて貰えなかった。


「カズヤ、一緒に弁当食べない?」

「あ、いいけど…」


俺は弁当を食べるべく、フィディオの机に自分の机をくっつける。
そして弁当をだして、食べ始める。


「で、カズヤ。本当になにも手を出してないの?」

「出してるわけないだろ…」


フィディオがその返答に対して咎めるような視線を送ってくる。
つい、ため息をつく。


「まぁ、いいや。とにかく、オレが留学してる間に告白するんだよ?」


そうやって笑顔で問いかけてくるフィディオからは無言の圧力を感じる。
しかたないから腹を括ろう。
頷くしかない。


「……よし。じゃ、ちゃんとするんだよ?」

「わかってるさ…」


これから、フィディオが居なくなるまでは異様に苦労することくらいは…


「カズヤ、そんな顔をしてたら幸せが逃げるぞ」

「そうだよ!!スマイルが一番だからね!!」

背後の方で聞き覚えのある声がした。
取り敢えず振り返ってみると、金髪のイケメンと金髪のアイガードをつけた人がいた。
即ち、マークとディランがいた。


「え、と……二人も?」

「ああ、フィディオがどうしても留学すると聞いて、な」

「ミーはマークに着いてきたんだよ!!」


どうやら、二人も留学しに来たらしい。
なるほど、だから俺たちか。


「だから、俺たちが留学してる間に告白しなよ?」


と、フィディオはもっと笑顔でいいはなつ。
しかし、さっきのような威圧感は無い。
マークがいるからだ。
フィディオとマークはお互いに好きなのだ。
だからフィディオはマークの前だと猫を被るんだ。


「あ、それと…」


フィディオは耳打ちしてきた。
お陰さまで結ばれました、と。
なるほど、だから早くくっつけと言いたいんだな。
俺たちの前でイチャイチャしたいからだな。


「そうだ、シンイチの所に行かないか?久しぶりに5人で集まれるじゃないか」

「グッドアイディア!!じゃ、ゴーだね!!」


そうして、二人に無理やりつれられて教室を出た。








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