夢見鳥(仮)
□目覚め
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ちりちりと、何かが爆ぜる音で目がさめる。
シュゼットは、自分の部屋にいた。
あのあと、どうなったのか。なぜ、自分の部屋にいるのか。
悪い夢かと思った。そうあって欲しかった。
「夢……じゃない…か」
体の痛みと違和感が現実のことだと告げている。
ため息をつき、ゆっくりと体を起こす。
体が重い、鉛になってしまったようだ。
服は白いネグリジェに変わっていた。
「おめざめですか?」
背後から声がかかる。
暖炉の世話をしていたらしい。
「まだ、寝ていてかまいません。私はすぐに出て行きますので」
「いいえ、大丈夫です」
喉が枯れて、上手く声が出なかった。
「そうですか。無理はなさらないでください」
ゆっくりと立ち上がり、シュゼットに近づいてくる。
「何か…食べられますか?今、朝食をお持ちします」
昨日と同じ、穏やかな笑顔。
知ってるんだ、そう感じた。
「知ってた……の?」
ふいに、口をついて出る言葉。
愚問だと知りながらも聞かずにはいられなかった。