歪んだ帽子

□無題
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―――――――ガタンゴトンッ……ガタンゴトンッ…――――――

春、熱くもなく寒くもない代わりに、体温調節が難しいこの季節
何時ものようにバスに乗って駅へ行き、電車に乗って暇つぶしにもならない、もう見慣れた
電車からの景色を見る、程良い温かさで、窓越しに降り注ぐ太陽
あたたかいが、ちょっと眩しい……
このあたたかさとこの揺れ、眠るはあまりに条件が揃っていて
これではもう眠って下さいと言うような物だ…なんて、自分の考えを正当化
そして文字通り……寝る


心地よくて、このまま眠っていたかった
ほんの少し、名残惜しい電車から降りて学校へ向かう
今日からまた。新しい学級が始まる…――――
始業式の面倒くささには、少々気が引けたが我慢しなければ……!!
とは思う物の、私が始業式に出る確率は、50%もないだろう……
始業式、もう何十回としてきたこの行事
は、どうしてもなれることが出来ない…
退屈だしつまんないしヒマなんだよ、下らないゴタク並べて思ってもないことをペラペラとくっちゃべるくらいならさっさと教室に戻してくれ
っていうかぶっちゃけ帰らせて…お願いします   というくらいに私は嫌い… ――――――――

ってなわけで、奏ちゃんはただいまサボっちゃおうかなぁ、なんて考えちゃったりしてます
学校自体からバッくれるのではなく、学校の中でサボるんです(無駄にだだっ広い学校だからこそできること)
もちろん、一応体育館には入ります。そこから
「お腹が痛いので保健室へ行ってきます」
とヒトコト言って、Let's GO!という感じ、いやー地味っていいね
全く怪しまれなかったよ




―――――――――――――――


ただいま始業式の真っただ中、なので、学校には教師がかなり少ない、ここまで来るのに一人も先生に出会わなかった
何って都合のいい、もう最っ高……!!
トボトボと歩いて、昼根の出来そうな場所を探す、その結果見つけたのは………
大きな大きな桜の木、木登りしたい←
純粋に木登りがしたい、ロッククライミングならぬツリークライミングをしたい
だって、枝分かれ激しいし枝太いししっかりしてるし櫻綺麗だしこっから見た桜はきっと絶景だよ、あったかいし…
そこに座って太い幹に背もたれして寝たらもう最高だよ←

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