もう1つの世界

□いつだって どこにいたって*
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ふわり。

横から優しい風が吹き抜けた。
飛ばされないよう帽子に手を当てながら上を見上げてみる。


思えば、随分遠くへ来たものだ。


飛行船の窓から見下ろして見えたのは新しい世界。

見たこともない色鮮やかな景色。
見たこともない新しいポケモン。

何もかもが初めてで。
でも”初めて”じゃない。

高鳴る胸の鼓動。
冷めない興奮。

いつだって、何度経験したことだって、止められない。


まだ、自分の知らない世界がここにはたくさんある。

だからこそ。
立ち止まるなんてこと、考えられない。



――オレは大丈夫だから


脳裏に浮かぶのは大切な仲間達、ライバル達の姿。
今頃、彼等はどうしているだろうか…。


会いたい。

でも、今はまだ会わない。
何故ならそれは暗黙の了解だったのだから。


自分達の夢を叶えよう。

今度会う時は、お互いもっともっと成長した姿で会おう。




「サトシ、お昼の用意が出来たよ!!」

「サトシー!早く来なさいよー!!」


「ピカピ!」

足元まで駆け寄ってきた自分にとって一番のパートナー。


「あぁ!今行く!!」


そんなパートナーに笑いかけながら地面を蹴った。


新しい出会い。

新しい仲間達。



いつだってそう。
自分は一人じゃないのだから。


もう、後ろは振り返らなかった。


繋がっているこの空の下で

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