もう1つの世界

□カラフル
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――お前だけでも逃げるんだ!

――何してるんだ!!早く逃げるんだよヨーギラス!ヨーギラス!!


必死にボクの名を叫んでいたキミ。
その叫び声に思わず振り返った。

モヤモヤしていた何かがようやく結びついた気がした……。


マックラナセカイ

オトモヒカリモナイセカイ


怖かった。
本当は生まれたくなんてなかったんだ。

ずっと、ずっと、目を閉じたままでいたかったのに。
ずっと、ずっと、冷たく暗い世界にいたままでよかったのに。


『……――』


何だろう?
音が、聞こえる。


『どうだヨーギラス?少しは暖かくなったか?』

『頑張れよヨーギラス。必ずお前を助けてやるからな!』


知らない声がする。
それもどうやらニンゲンの声だ。
目を閉じていたボクには、それが誰なのかわからなかった。


……アタタカイ

どうしてそう感じたんだろう。
よくわからなかったけど…。

どうして?ニンゲンなのに……。
だって、ニンゲンは……。


あの時、自分は目を閉じていた。
だからあの温もりの持ち主が誰なのかわからなかった。


でも……。


『ヨーギラス!!』


初めて、ちゃんと目を合わせた。
その瞬間、ボクは目を見開いた。


――ヨーギラス!!


そっか……キミだったんだね。



初めて、世界に色がついた日

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