小さな世界

□泣かないよ
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ぽん、と頭に置かれた手
その手の大きさも温かさも一番大好きな彼のものとは少し違うけど同じくらい大好きな手

「―…なぁ、ピカチュウ」

優しく呼ばれる自分の名だってもう何度耳にしたか分からない

そこにいてくれる
傍にいてくれる

それをいつの間にか当たり前のように思ってしまっていた

「サトシのこと、頼んだぞ」

その言葉にしっかりと頷いたけど寂しいというキモチはすぐには消えてくれないよ

だってずっと、一緒だったんだ

目指すと決めた新たな夢を語るその横顔を見たら引き留めることは出来ない

今までにも別れは何度もあった
時には泣いてしまうこともあった
でも最後はいつも笑ってサヨナラしていたね

またいつか会える日の為にと

だからボクも泣かない
寂しさを一番に感じているのはボクじゃないから

一番のパートナーであってもボクはキミの変わりには絶対になれない
出来ることも限られてしまうけどそれでも精一杯頑張るよ

だからキミも頑張って夢を叶えてね
そしていつかまた一緒に旅をしようね


分かれた道はいつかきっと繋がるから

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