黄昏の灰燼

□転校生
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翌日。
朝。



一夏及び、一夏を取り巻く女性陣は1ー1で談笑していた。



「何ですの!?あの野蛮な男は!一夏さんとは大違いですわ!」



セシリアは昨日の出来事に未だ憤慨していた。姿のない男に暴言を吐き続けるセシリアを尻目に、シャルロットが一夏に話し掛ける。



「一夏は遥希くんと知り合いなの?一夏も遥希くんも知ってるみたいだったけど」


「まあ、大雑把に言えば……サード幼なじみだな」


「「幼なじみ!?」」



ファースト幼なじみ篠ノ之箒と、セカンド幼なじみ凰鈴音が反応した。


その二人の剣幕に多少たじろぎつつ、一夏は話し出す。



「えっと、箒が小4までで鈴が中2まで、遥希は中3の一年間だ。春に転校してきて親友って呼べるくらい仲良くなって、受験前には大阪に転校した」

「何よ。ほんの一年間じゃない」と鈴。

「私に比べたらまだまだだな」と何故か自慢気に箒。

「でも、俺と遥希の絆は箒や鈴にも引けを取らなかったと思うな」

「むぅ……」と鈴。

「ぬぅ……」と箒。


「まあ夫婦の仲には及ばんだろう」といつも通りなラウラ。



こうして談笑しつつ、HRの時間が迫る。HR前に鈴は自分のクラスへ帰って行き、入れ違いに山田先生が入ってくる。



「えー、今日は転校生が来ています!」



――まさか、な。

一夏は何となく予想を付けた。






「何を煙草など咥えているんだ、斑尾!」

『違うんよ、千冬さん!これはチュッパチャプスや!』

「没収だこんな物は!」

『嫌じゃ!あ、でも千冬さんがちゅーしてくれる言うなら考えても』

「な、なにを言ってるんだお前は!」

『もしくはワイのチュッパチャプスを千冬さんが咥え……嫌、冗談じゃから。出席簿を振りかぶらんで……のわああああ!!』



ドアの向こうから聞こえてくる声に、一夏は思わず頭を抱えた。



「えっと、斑尾くん入ってきて下さ〜い……」



山田先生が恐る恐るドアの向こうに声を掛ける。ドアが、開いた。


頭に大きな瘤を拵えた遥希が入って、続いて顔を赤くしながら咳払いしている千冬姉が入ってくる。



『もう知っちゅうと思うけど斑尾遥希や。よろしゅう』


遥希の容姿を説明すると、茶髪のツンツンヘアーにブラウンの両目……じゃないな。イエローだ。何か雰囲気が違うと思ったらこれか。


背丈は180程。痩せ型の筋肉質で所謂、細マッチョ。


服装は一夏と同じような制服だが、ジャケットの下にYシャツを着込み、赤いネクタイを締める。袖はYシャツごと肘まで捲り、夏が近く暑いからかズボンも同じように捲っている。
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