黄昏の灰燼
□強襲訓練
1ページ/3ページ
IS学園のアリーナにて。
一夏達、一組と鈴がいる二組は合同授業を行っていた。
「よし。全員集まったな」
それを担当する教師は織斑 千冬。織斑 一夏の姉であり、第一回IS世界大会『モンド・グロッソ』の優勝者。
そしてドイツに居た頃、ラウラ・ボーデヴィッヒを鍛えたと言う。
「まず、専用IS持ちは前に出ろ!他は下がれ!」
織斑千冬に言われ、一夏、セシリア・オルコット、凰鈴音、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒが前に出る。
「今日やるのは強襲訓練だ!」
「具体的には何をするんですの?」
「何、すぐに解るさ」
ワイのIS、黄昏の灰燼のハイパーセンサーが千冬さんのニヤリと笑った姿を捉えた。
『合図やな、行こか灰燼(アッシュ)』
ワイはISを展開した状態で中央タワーから飛び降りる。
スラスターを起動させて加速する。
さて、お前の実力試させて貰おか、一夏!
一夏はワイのISの音に気付いたのか白式を展開する。他の専用機持ちは既に展開を終えている。
『喰らえ一夏ァァ!!』
ワイはISの肘にある推進器を発動させて一夏を殴りつけた。
「うおおっ!?」
一夏はISの展開はしたもののワイの殴打を喰らって地面に叩きつけられた。
じゃが、ワイの攻撃はまだ終わらへんぞ。
ワイは一夏のISの足を持つ。
そして地面から上げて、また叩きつけらる。それを何度も繰り返す。
白式のシールドエネルギーがぐんぐん減っていく。
「一夏さんを放しなさい!」
射撃。セシリア・オルコットのIS、ブルーティアーズのレーザーライフル《スターライトmkV》がワイを狙う。
『あかんなぁ。ワイは一夏を捕らえてるゆうのに』
白式を振り回してワイとブルーティアーズの間に投げる。
「うわわっ!」
「ああ、一夏さん!わたくしのレーザーに当たってしまいますわ!」
叫びも空しく白式にブルーティアーズのレーザーが当たる。シールドエネルギーは0になった。
ワイは白式が地面に倒れれるのを見てブルーティアーズに突っ込む。
『一夏の心配ばかりしてたらあかんぞ!』
セシリア・オルコットはブルーティアーズを作動させてワイを狙いに来る。
『無駄や!』
ワイはシールドエネルギーを消費しながら突っ込む。肘の推進器を起動。ブルーティアーズに殴り掛かる。
「セシリア!」
「シャルロットさん!」
ワイに向かって実弾が放たれる。ラファール・リヴァイヴが実弾を放ちながらセシリアへ向かう。
じゃけどワイの方が早い!
ワイはISの右手の拳でブルーティアーズを殴る。それと同時にカノンで荷電粒子砲を放った。
ドンと、一気にシールドエネルギーが減る。
「セシリアから離れて!」
ラファール・リヴァイヴの持つ銃が火吹く。ワイはそれに右手を向けた。
『まだまだやな。ワイにそれは通じん』
右手の指先が開いてレーザーが放たれる。レーザーは正確に弾を撃ち抜いた。
左手では掌にある銃口がレーザーを発射する。次に左腕についているシールドを開いて実弾を浴びせる。
シールドエネルギーが0になった。
『よし!次は……』
リヴァイヴを……と言おうとしたが突然の見えない砲弾を上空へ逃げて避ける。
『甲龍の衝撃砲か。怖いなぁ』
今、残っているのはシャルロット・デュノア、凰鈴音、ラウラ・ボーデヴィッヒやな。
『ほな、衝撃砲は怖いから先に潰させて貰おか』
「そう簡単にできると思わないでよね。あたしは一夏やセシリアとは違うから」
凰鈴音は双天牙月を振り回す。
接近戦は危険やな。でも……
ワイはスラスターを起動させて全力で突っ込む。時折来たる衝撃砲を避けながら拳を握る。
『超接近戦ならワイの方が有利や』
ワイの主力武器は拳。肘にあるスラスターが威力を高めるし、拳の装甲は他の部位よりも強固で厚い。
ワイの拳と凰鈴音の双天牙月がぶつかる。シールドエネルギーが減るが対したモンじゃない。