ネコ伝

□ふわふわ
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「ジェルメ、俺この格好でやるの?」

と、スカートを持ち上げるライナ

つまり、今のライナは白いワンピース姿の可愛らしい女の子

微妙に笑みが引きつっているライナにジェルメはニッコリ

「テストだものぉ。当たり前でしょ?」

「あぅ・・・」

ここ一年、髪を切らせてもらえず伸ばしっぱなし

現在は方を超し、ピアの手入れのおかげで美しい

一見すれば、白いワンピースのおとなしめの少女である

「はぁ・・・」

首の鈴をギュッと握り、自分を落ち着けるよう努める

「じゃ、そろそろ始めましょうか」

試験前日に、順番を決めていた

一番手は、ペリア

困ったかのように笑うペリアに対し、騎士団は手に剣を持っている

2対1の殺し合い

ジェルメが、両者の間に立ち手を上へと上げた

「三、二、一・・・やれ」

ジェルメの手が下ろされた瞬間、ペリアの体から殺気が吹き出した

驚いた騎士に隙ができる

ペリアは一瞬で間合いを詰め、二人とも気絶させてしまう

そのまま息の根を止めようとしたところでジェルメが間に入った

「やめ!ペリア合格」

危うくジェルメを殺しそうだったが、彼はそんなヘマはしない

アッという間に勝利してしまったペリアに貴族達の目が集まる

回収される騎士達の代わりに、別に控えていた騎士が二人出てくる

同時に、ピアが前へ出た。にぃっ、と楽しそうな―狂気に満ちた笑みを浮かべ

じわりと滲み出る鋭く薄い殺気に、騎士は笑った

―馬鹿にしている

ピアから笑みが消えた

「三、二、一・・・やれ」

瞬間、騎士が二人とも倒れた

腕と首が変な方向に曲がった状態で

パンパン、と手を払ったピアはつまらなそうな顔で

「あたしを馬鹿にしたからよ」

と言った

ジェルメが小さく、「やめ」と言う

しかし、これは非常にマズイ流れだった

ここまで騎士団がやられるとなると、あちらも黙っていない

「俺出るけど、良いか」

案の条出て来たのは、隊長であると思われる男

最後であるライナは少し裾を持ち上げ

「お手柔らかに」

と微笑した
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