ネコ伝

□ふわふわ
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時は早く過ぎていく

ライナは、立派な淑女(レディ)になっていた・・・

訓練施設に来てから、1年が経過していた

厳しい訓練を耐え抜き、今日は訓練施設の生徒3名のテストの日

―・・・生き残る為の、テスト

テスト場は、いつも組み手を行っている広場

周囲の壁際には、たくさんの貴族がいた

そして、真ん中に生徒であるライナ・ペリア・ピア

彼らの目の前には、魔獣騎士団が2名

この2名に勝った者が生き残れる



「(ふむ・・・)」

―これはマズイ

鎧を着込んだ騎士団は、本気で殺しにかかってくる

ライナには解った。もしかしたら、逆に殺してしまうかもしれない

それも解っていた

そういう訓練を、1年間やってきたのだから

ライナの脳裏に、その日々が浮かぶ



白いワンピースは、思っていた以上に広がった

『ふぇあ!?』

しかも、スースーする

女装していてもしっかり戦えるように、という訓練は過酷だった

早く動くと足にまとわりつくし、止まれば広がるし

まず、蹴りが出来ない。足を上げれば中が見えてしまう

それを防ぎたくて手で押さえれば、今度はガードができない

ある意味、手も足も出せない状態だ

しかし、やらなければ殺られる

『だらしないわね!』

『ピア、俺男だからね!?』

というやりとりも何度やったか

さらに大変だったのは、頭に被せた帽子を落とさないようにすることを求められた組
み手

加えて、女子らしく優雅な動作でやらねばならなかった

7時間に及ぶ組み手が終わったら、次はマナーレッスン

男としての作法、女としての作法

さらに、歩き方まで

それが終われば次は図書室へ行って勉強

マナーレッスンと勉強を合わせて14時間

とくにマナーレッスンが長かった



そんな訓練の日々は、今日生き残れたら終わる

のだが・・・
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