ネコ伝
□ぶらっく・きゃっと
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―また仲間が死んだ
少年は涙を零す
黒い耳は悲しみによって下がり、
尾は揺れることさえしない
目の前には、たくさんの仲間の死体が転がっている
その、中心・・・
血で所々真っ赤に染まった桃色の髪の男が、少年に手を伸ばす
「俺らんトコこねぇか?」
少年―ティーアは首を横に振る
男は残念そうに首を振って・・・
「じゃあ死ね」
容赦なくティーアを斬りつける
「レファルに怒られるなぁ・・・」
つまらなそうに去って行く男は、途中で剣を捨てる
ティーアが見たのはそこまで
彼の意識は、痛みと出血により闇に呑まれた
『僕に力があれば・・・僕があいつらに勝てれば』
『僕らを利用しようとする奴等が憎い』
『僕らを殺そうとする奴等が憎い』
『黒猫は上位種だ』
『普通の奴等とは違う、“特別な力”を持っている』
『下等生物如きが僕らを殺すだって?』
『ふざけるな!!』
『憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!』
『奴等が憎いっ!!』