工房

□届ひた思ひ、なに思ふ
1ページ/1ページ



春の陽射しが暖かい

けれど僕は床に横になっているだけだ


どうして僕なのだろう

どうして僕が労害を患ったのだろう


「神様なんて信じてないけど、
居るなら答えてください

そして最期の願いを聞いて下さい

“ ”

“ ”」


なぜ、何故そのようなことを言う

「神様なんて信じてないけど、
居るなら答えてください

そして最期の願いを聞いて下さい

“僕は後どれだけ一君と一緒に居られますか?”

“一君に幸せをあげて下さい、僕の分まで”」


…俺の幸せはお前と共に在ることだ


それでも神は何もしない

辛い試練は与えるのに、幸せは与えてくれないのか



あぁ、夜が明ける

ごめん、ごめんね一君

最期に浮かぶのは、やっぱり君だったよ


――こうして、新選組一番組組長沖田総司の短い生涯は幕を降ろした



『大好きだったよ』

「っ総司!」

遠く離れた地に居た

だが、総司が逝ったのが分かった

最期に想いを届けてくれた

だが、なぜ過去形なんだ!

俺は認めない
俺はまだ、お前を愛してる

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ