工房
□届ひた思ひ、なに思ふ
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春の陽射しが暖かい
けれど僕は床に横になっているだけだ
どうして僕なのだろう
どうして僕が労害を患ったのだろう
「神様なんて信じてないけど、
居るなら答えてください
そして最期の願いを聞いて下さい
“ ”
“ ”」
なぜ、何故そのようなことを言う
「神様なんて信じてないけど、
居るなら答えてください
そして最期の願いを聞いて下さい
“僕は後どれだけ一君と一緒に居られますか?”
“一君に幸せをあげて下さい、僕の分まで”」
…俺の幸せはお前と共に在ることだ
それでも神は何もしない
辛い試練は与えるのに、幸せは与えてくれないのか
あぁ、夜が明ける
ごめん、ごめんね一君
最期に浮かぶのは、やっぱり君だったよ
――こうして、新選組一番組組長沖田総司の短い生涯は幕を降ろした
『大好きだったよ』
「っ総司!」
遠く離れた地に居た
だが、総司が逝ったのが分かった
最期に想いを届けてくれた
だが、なぜ過去形なんだ!
俺は認めない
俺はまだ、お前を愛してる