伝説の砂糖2
□犯行現場は寝室
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部屋にある時計だけが音を奏でる新月の夜
シオンは隣で寝ているライナを、そっと盗み見た
―――愛してる。だからこそ殺したい
自分が、自分だけがライナを愛せるように…。
でも結局、俺はライナを殺せない
「今日も殺さないの?」
「…あぁ」
いつもライナが起きていることは知っていた
でもライナ何も言わない
「世界に俺達だけなら良かったのに」
「なんで??」
「だって世界に俺達だけなら、ライナは俺だけのものだ
法に縛られることもなく、ライナを取られる心配もない」
灯りが無い部屋では、互いの顔さえ分からない
「そうだな…世界に2人だけなら、幸せになれたかもな」
2人の瞳には狂気が宿って居た
「ライナ」
シオンはライナを見詰めた
闇に慣れたシオンの瞳には嬉しそうに笑うライナの顏が映った
「愛してる」
グサリとライナの胸にシオンはナイフを突き刺した
「俺も愛してる」
ライナも枕の下に隠して居たナイフでシオンを突き刺した
犯行現場は寝室
冷たくなっていく2人の体
シオンとライナは彼岸で今日も幸せに過ごしています