妖の砂糖

□貴方の優しさにごめんなさい
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じわりと視界が滲む

それが生理的な涙だと解っているから、拭おうとも思わない

「せんせ・・・っ、おねが、も・・・!」

「ん?もう駄目そうか?」

ようやく解放されると、先生の首元に顔を埋めるようにしてもたれ掛かった

「夏目は本当に尾が弱いな」

「ぅあ・・・」

そう良いながら尾を弄るのは止めてくれ

「夏目、そろそろ良いか?」

「ん・・・」

ほとんど乱れた着物を、さらに乱して

先生は、俺の秘部に指を挿れた

今ので先走ったモノのおかげで、指は入っていく

多分、それだけじゃないだろうけど

毎日のように躯を重ねているから

それに慣れているのもあるかもしれない

「きゃんっ!」

先生が笑ったような気配が伝わってきた

敏感な部分は、全部知っているとでも言うように

「ぅあっ!・・・そこ、ぉ・・・!」

「此処がどうした?」

指をもう一本増やされて、指の腹で押される

「んんぅ!」

必然的に先生の着物を掴んでいる手に力が加わる

「ふぁ、や・・・!ひ、あぁ!」

「もう無理そうか?」

「んっ!も、出る・・・からぁっ」

「なら、もう少し我慢していろ」

また、唇を重ねられた

今度は優しく

先生との接吻は好きだ

安心できるというか

とにかく、解らないけれど

「ん!?・・・ん、んぅう!」

いつの間にか指は抜かれ

代わりに、先生のモノが宛がわれていた

制止の言葉も言えぬまま

思い切り奥まで貫かれた

そのせいで、我慢させられていたものが弾けて

熱いモノが飛び散る

「〜〜〜〜〜っ・・・」

溜まっていた涙が、零れる

唇を離すと、先生は楽しそうにそれを拭って

なんか、むかつく

「もう少し我慢できないのか」

「る、さい・・・なら、尻尾触るなよ」

唇を一舐めされたかと思えば

埋められていたものを、動かされる

「ぁ、あ!んや、はや・・・ぃ!」

先生に縋り付くように、首に腕をまわす

達した直後の躯は、敏感で

「ひぁ、せ・・・んせ!おねがっ、ゆっくり!」

「断る」

「いやぁ!ひ・・・ん、ぁ、ああ!」

足の先まで痺れるような快感が襲う

先生の首に回している腕に、力が加わる

「夏目、くるしい・・・」

「ふぇ?ぁ・・・なに?」

先生は溜息を吐いた

残念な事に俺にはもう、色々気にしてる余裕はないのだが

「そろそろ終わらせるか」

「っ!〜・・・!」

先程よりも、深く強く埋め込まれて

息が詰まった

「ふか・・・っ、ふかぃ!」

先生の動きが早くなっていって

限界が近いことが解る

「、なつめ・・・」

「ぅあ・・・ぁ、ぁぁあああ!」

ナカで熱が弾けて

同時に俺は達した

「ふ・・・は、はぁっ・・・」

ナカから先生のが出て行く

それに寂しく思いながら、先生に擦り寄る

ぎゅう、っと抱きしめられて

安心したのか、俺の意識は闇に呑まれた



 〜・○・●・○・〜



目が覚めたら、日が暮れていた

先生は、いつもの斑の姿になっていて

あぁ、だから暖かかったのかと納得した

先生のお腹に顔を埋めて、呟く

「せんせぇ、ごめんね・・・」

俺の中には、まだあの人間かいて

田沼がいて

先生の優しさを、裏切っているような気がして

胸が苦しかった



しばらくすると、夏目の寝息が聞こえてきた

そっと眼を開けて、愛しい夏目を見る

「ごめんね・・・か」

どういう意味でごめんねなのか

斑は、夏目が人間に想いを寄せる前から、彼が好きで

言ってしまえば、人間が死んだ時

心の何処かで喜んでいた

例え人間の代わりに側にいるとしても

それでも側にいられる事が嬉しくて

妖には、寂しいか寂しくないかという問題しかない

寂しくはない、そうは思うが

心は、寂しいと泣いていて

「例え代わりでも、わたしは・・・お前を・・・」

妖には時間というものは、あまり関係ない

だから、いつか自分を見てくれるまで・・・
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