工房
□紅い華
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地面に紅が吸い込まれて行く
あぁ、死ぬのか
別に死が怖い訳では無い
けれど、怖いんだ
もう、あなたの笑顔が見れないから
「……少…佐、ハァ…クッ」
「コナツ、喋らないで」
苦しそうに辛そうに顔を歪める
自分のことじゃ無いのに
「僕、の、ことは……捨て、置いて下さ、い……ゴホッ」
いつも笑ってる顔が…
いつも余裕な顔が…
「愛し、て……居ま、した」
痛みも麻痺して分からない
目の前は真っ暗になる
もう死ぬんだ……
最期に少佐が自分を呼んだ声を聞いて僕の意識は途切れた
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「コナツ!」
『愛してた』って何で過去形なの?
ねぇ、コナツ
きっと俺を思って何でしょう?
でも、俺はコナツ以外のベグライターは要らない
恋人もいらない
俺はねコナツ、コナツしか居ないんだよ
紅い血が広がってコナツを囲む
紅く染まったコナツも綺麗だよ
コナツには紅が良く似合う
コナツはね、俺にとっては華なんだ
いつも綺麗で、俺のことを分かってくれて…
大好きだよ、愛してる
俺はコナツを一生愛すよ
紅い華
本当はすぐに追い掛けたい
けど無理だって分かってるから、俺は逝かないよ
彼岸で待っていてねコナツ