a lily
□A faint love
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一瞬、人魚が海からやってきたと本気で思った。
緑や青みがかったように見えるほど真っ白な肌は、所々ちょっとした吹き出物等で荒れて、ピンクになっていた。
だけどそれも僕には汚い地上に来た時の生理現象なんだと思えた。
田舎から都会に行ってアレルギーになるみたいな。
だってその証拠に、その子は、肌の汚い子にありがちなおどおどした目じゃなかった。
クラスルームの端から端、窓から廊下を素早く見回した時、強気や自信じゃないけれど、自分は意味があってここにいるってちゃんと信じてるような感じがした。
白くてほっそりした足が動き出した。
僕は彼女の靴下とローファーの境目、まぁ要するに足首を眺めてた。
彼女の足首は簡単に掴めそうで、靴下に踝が浮いてるのがなんか、男子みたいでバカだけど、なんかちょっとエロいなって思った。
歩きが止まった。