a lily
□close friend
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『未弥と別れろ
さもなくばお前に厄が起こる』
一文字一文字嫉妬に震えながらキーボードを打つ。
洋祐 洋祐 洋祐 洋祐
忌まわしきその名を唱えながら。
今日も未弥と帰れなかった。今度こそと思っていたのに。その志を伝えると、
「やだ沙柚、休み時間もお昼も一緒にいるじゃない」
と笑われた。違う。違う違う違う違う違う!
前は違った。もっと、もっともっともっともっと一緒にいた。
HRが延びて、微妙な時間に帰路につくと、かならずどちらかの家に寄って遊ぶ時間が好きだった。
ここ2ヶ月無い。未弥の家に行っていない。茶色っぽい壁と家具、身の回りのものはシンプルにまとめられた部屋が懐かしい。
少し前までの私の居場所は、きれいなまでに里見洋祐が填まっていた。