短編小説

□夕焼けの堤防
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真っ赤な夕日に照らされて、まるで草木まで燃えているかのように鮮やかな色をした堤防。



「冬になると陽が沈むのも早いね」



スケッチブックを片手に、睦月は堤防を駆け上がった。

後から着いてきたクリーム色の子猫がニャアと小さく鳴き、睦月を見上げる。



「・・・本当、早い」




見える夕日は変わらないのに、周りはどんどん変わっていっちゃうんだね



変わらないものなんて、きっと何一つないのだろう



もしかしたら、あの夕日さえも







なんてね







「・・・さっ、帰ろっか、ししゃも。サトウさん帰ってきちゃう」


足元の子猫を見下ろし、にこっと微笑みかける。


夕日を背に幼心を振り返り、けんけんぱっと意味無くステップ


オレンジ色の影が長く伸び、同じ動きをするのを見た。
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