拍手お礼SS

□この愛いくらで買いますか
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「よく、本当に大事なものはお金では買えないって言うじゃない?」

「………」

「でもさ。もし大事なものがお金で買えたとして、…わたしの愛の値段って、いくらなんだろう」

「………」

「L、……ちょっと」

「…………」

「アイス食べるのと私のはなし聞くの、どっちが大事なの!」

「………」

「………」

「……、……、…、」

「もぐもぐすんな!」

「ですが、溶けてしまいますので」

「…もういい」

「貴女もどうですか、ここのチョコチップアイスは絶品ですよ」

「何これ、コーンの上にアイスがみっつくっついてるよ!?なんて贅沢な…!」

「これで一個分の値段でした」

「わぁ、お得!」

「格安キャンペーン中でしたので」

「(たまに庶民的よねLって)……うわ、美味しい!」

「良かったです。…ところで先程の話ですが、」

「え?」

「貴女が私のものになるなら、いくら出したって構いません」

「…!聞いてたの」

「はい。…貴女はいくら出してくれますか」

「Lの愛を買うのに?」

「はい」

「……(ゴソゴソ)」

「?」

「お財布の中にこれしか入ってなかった!」

「…………」

「…………えへ!」

「……………百二円ですか」

「買える?」

「………はい…まあ…」

「ほんと!?わーい!」

「………」

「ちなみに私の愛はお金じゃ買えないから!」

「………」

「ふっふっふ」

「知っています」

「へ?」

「貴女の愛を買うには、私が心も身体も差し出さねばならないのでしょう。つまり生け贄です何て悲劇的なことでしょう泣けます」

「…棒読みなんスけど」

「わかりました、いいでしょう差し上げます、まずは身体の方からいかがですか」

「いや、イヤイヤ出来ればそうね、こ、心の方から!」

「そうですかわかりました、ではベッドへ」

「ちょっと!」

「あ、言い忘れてました」

「ななななによ」

「お買い上げありがとうございます」

「いやー!降ろしてー!!」



私の財布から百二円を抜き取って丁寧にお辞儀したLに、愛なんて崇高な言葉は似合わないと思った。



どうでもいいけど百二円はこの人の愛を買うためにもらわれてしまうのだろうか。

それ、あたしの今月の全財産だから…………お願い返して!!







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