拍手お礼SS
□恋の病に侵された獣
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捜査本部の休憩時間、Lが突然フォークをおいて前に体を折り曲げた。
「?」
「胸が苦しいです」
「はっ!?何それ病気!?」
「はい、よくわかりませんが病気だと言う人もいます」
「何そんな他人事みたいに…!大変じゃない!Lが病気にかかるなんて、世界に影響するわよ!」
「そうかもしれません。確かに世界は変わりました」
「は?」
「あなたと自分を通してみる世界は、今までとまるで違います」
「……ちょ…何言ってんの…?ダメだ病気が進行して会話が噛み合わなくなってきてる…!とにかく医者!ワタリさーん!!」
「医者もワタリもお手上げでした」
「じゃあどうしたらいいの!」
「………う」
「L!」
私は呻く声を拾ってLのそばに駆け寄った。
自分の胸をおさえるLの拳に手を添えて、背中をさする。
「大丈夫?苦しい?」
「……」
胸が痛いのだというのに必死に背中をさする私は、すっかり気が動転していたのかもしれない。
ふとLの息が乱れる。
「……駄目です」
「え、」
(あなたに触られたら我慢なんか出来ません)
離れてゆくLの熱い口唇が吐息まじりにそう紡いだのを、わたしは聞き逃さなかった。
結んだ視線の先にいるのは、尊敬するただの上司ではなくて。
鋭い光に揺れる瞳はまるで、
†恋の病に侵された獣(L)†