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□一人遊び
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†一人遊び(L)†





最近、私は一人で実験を試みている。

それは、私が何日Lに触らずにいられるかという、言わば我慢大会だ。

暇さえあれば、パソコンに噛りついているLの背後に忍び寄って背中に抱き着いてしまう私にとってその試みは、クリアするに難解な試練である。


もちろんこの事は私以外誰も知らない。だから、急にベタベタしなくなった私を松田さんあたりが不審がっているのも仕方ない。


…てことは、Lももちろんおかしいと思ってるわけで。



「…具合でも悪いんですか」

「どうして?」

「最近様子がおかしいからです」

「そんなことないよ、いつも通りだよ」


そう、これは私の一人遊びなので、当の本人Lには決して言えないのだ。

そんな顔しても教えません。こうみえて私、意思が強いし口も堅い。ちょっとやそっとの事では、うっかり口を滑らせてしまうなんて有り得ないんだから。


「言わないと今日のおやつはあげません」

「…別にいらないよ」

「そうですか、今日はあなたの一番好きな苺タルトでしたが私がいただいてしまいま」

「言います実はわたし一人我慢大会をしています」


残念ながら。
私は苺タルトには勝てないのだ。巧妙な手口。さすが世界のLね。あっぱれ。


心の中で国旗を振っていると、Lが盛大なため息をついた。



「……くだらない」

「なんだとう!?」

「様子がおかしいと思ったらそんな事をしていたんですか」

「まあね!」

「(何故そこで胸を張るのかがわからない)…で、私に触れない気分はいかかですか」

「…それがね、寂しくて仕方ないんだよ。本当に好きな人がいるときは、傍にいるだけじゃだめなんだね」

「つまりどういう事ですか」

「え?つまり?つまり…Lが大好きってこと!」

「………」

「へへ」

「本当にくだらない」

今更そんなことに気付いたというのか。

「あ、ちょっと!だめだよ、私まだ試練続行中なんだから!」

「知りませんそんなもの」




「何故私があなたの我慢大会に付き合わなければならないんですか」






「もしかしてLも寂しかったの?」


その言葉に答えはなかったけれど。



私の試練は、単にお互いが大好きだと認識するための一人遊びになってしまいました。


こんな筈じゃなかったんだけどな。


ま、いっか。


とりあえず、我慢した分いっぱい甘えちゃおう。

L、覚悟!

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