拍手お礼SS

□私はあなたに恋をする。
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†私はあなたに恋をする(L)†







「人は何故恋をするのでしょう」

「え?なに、突然」

「恋をしなくても死にはしないはずです」

「うーん…まあ確かに」

「人間の3大欲求は食欲・性欲・睡眠欲。中でも性欲は愛と密接な関係にあると思いがちですが、お互いの体が機能すれば成立するわけですから、これもまた愛や恋などといった類のものは含まれていないと考えるのが妥当です」

「う、うん…?」

「しかし、人は必ず恋をする」

「……」

「きっと恋とは本来、欲とは関係のない部分で相手に惹かれる純粋な想いことを言うのかもしれません。しかし、そのうち気持ちだけでは足りなくなる」




どれだけ言葉を募っても、手を繋いだ一瞬に勝るものはないのだと気付くときがくる。




キスをしたい。
抱きしめたい。
自分のものにしたい。




「L、どうしたの?言ってる意味がよくわからないんだけど」

「…つまり、あなたに触れたいということです」






「…最初からそうやって言えばいいのに」

「論じたてた方がそれらしく聞こえるかと思ったので」

「馬鹿ね」






そんな尤もらしい論理より、私の手にそっと触れたあなたの熱い体温の方が、何よりも雄弁に語ってる。

触れ合う喜びと言葉のいらない沈黙を全身で感じて、


「生きることに直接必要ないかもしれないけど、…案外いいものだよね」

「はい」




―…私たちは今、お互いに恋をしている。









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