拍手お礼SS

□貴女の一番好きなとこ
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†あなたの一番すきなとこ(L)†





「………」

「………」

「………」

「……何か用ですか」

「…えっ」

「さっきから視線が背中に刺さります」

「気付いてた?」

「…あれだけ長い時間見つめられれば」

「私、」



Lの指がすきよ。
それから、まあるい背中も。その真っ黒な瞳も。
甘党なところも。
拗ねると尖る口唇も。



「…どうしたんですか、いきなり…」

「えへ、言いたくなったの」

「そうですか」

「…照れた?」

ふふ、と笑ってみせると、Lは返事をするかわりにポリポリと頭を掻く。


「Lはさ、その…」


―…私のどこが一番すき?


返ってくる答えを想像する。
彼は何て言うんだろう。

無難に優しいとこ…とか?
それともこのまま無視を決め込まれるかしら。


実はさっきからLの照れた顔がみたい私は、とにかく恥ずかしい台詞を言わせたくてたまらなくなっていた。



「…一番好きなところ、ですか」

「難しい?」


からかうような声に、Lは少しむっとする。


「…そうですね…」

『優しいところ』?
『可愛いところ』?
どうしよう、『全部』だなんて言われたら。
そんなことこのLが言ってくれるかしら。





「貴女がどうしようもなく、

―…私を好きなところ、ですかね。」


「!」












「照れましたか」



私は返事をしなかったけれど、その予想外の答えに顔の温度が上がっていたのは言うまでもない。

…そんな風に言ったら、さっきの私の台詞が余計に恥ずかしいじゃない……!

ただLにべたべたに惚れてるんだって裏付けをされたみたい。


(……なんかくやしい…!)


結局Lのデレデレ照れた顔は拝めることなく、私が恥ずかしい思いをしただけでした。




「私をハメようなんて百年早いです」

「(バレてるし!)」





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