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□白い指先が示すもの
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「ニアー」
「…あ」
がらがらがら…。
床に散乱した積木の山。
いまだ指先まで固まっているニア。
しばらくして、後ろにひっついている彼女を見てため息をついた。
「………何であなたはいつもそうやって…」
「ぎゅー!」
「(聞いてない)……苦しいです…」
「ニアは可愛いね、かわいー!すき!」
「………」
ぐりぐりと背中に頭を押し付けられる。
回された細い腕、耳をくすぐる髪、それから、………柔らかい感触。
「………」
「ニア?」
「……いえ」
「ねえねえ、だっこしていい?」
「…いいです」
「えっ、いいの!? ばっちりオッケーどんとこい、の『いい』!?」
「嫌です遠慮しますのいい、です」
「ぐぬ…」
「大体何故あなたはいつも私にこういう行為をするんですか。はっきり言って迷惑です」
「………」
「………」
「だって、可愛いんだもん!ぶかぶかのシャツからちょこっと出た指先とか、ハネた髪の毛とか、ふわふわな後頭部とか!」
「後頭部…」
「だから、今日は可愛いニアのためにおもちゃを持ってきました!」
「………おもちゃ。それはどんな?」
「(食いついた!)難しいパズル百選!みてみてパズルピースが12万だよ!?細かいの!」
「……12……」
「あげる!暇なときにやってみて?」
「…はい。ありがとうございます」
「気に入った?」
「はい。では私は早速これをやるので」
「私には出てけってか!」
「気が散るので」
がさがさ、パチパチとパズルを始めるニア。
「わかったよーだ!………でも、気に入ってくれて嬉しい。他に欲しいものがあったら言ってね!可愛いニアのために、なんでも持ってくるから!」
「……なんでも……」
「うん!」
「……では、」
†白い指先が示すもの†
俯いた顔に前髪がかかって彼の表情はみえない。
そこにあったのは、真っ赤になった私の顔と、もう片方の指でピースを嵌める軽快な音。
「い…、いいよ」
「……それは、ばっちりオッケーどんとこい、の『いい』ですか」
「…ばっちりオッケーやっぱり大好き愛してるの『いい』に決まってるじゃない!」
「……あ」
勢い良く飛び付いたせいで、せっかく始めたパズルがバラバラになって、床に零れ散った。
(私のものになったなら、可愛いなんて、もう言わせません)
見えない顔の下で、口の端を上げていればいいなと思います。初ニアで緊張気味の管理人でっす!(ドキドキ)
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