星の道しるべ

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カオスは、消えた。
いや、本来あるべきところに帰った。
ギャラクシアは本来の自分を取り戻し、スターシードを導くために去った。

セーラームーン…
いや、うさぎは空を見上げ、微笑んだ。


「みんな、あたし…
頑張ったよ」


最後は、ギャラクシアも救うことができた。
もう、カオスはいない。
平和になったのだ。
でも…


「でもさ、一人じゃ寂しいよ…」


うさぎの周りに、仲間はいない…
レイも、美奈子も、亜美も、まことも、ほたるも、せつなも、はるかも、みちるも、ちびちびも、衛も、あかりも…
みんな、消えてしまった…
自分を残して。


「あたし、そんな強くないもん…」


涙が溢れる。
ずっと、泣き虫だったんだよ。
そんな簡単に直らないよ…
ねぇ、なんで「うさぎ」って呼んでくれないの?


「寂しいよ、みんな…!」


いつも一緒だった、大切な人達…

すると、うさぎの周りを囲むようにスターシードが現れ、そのスターシードがうさぎの仲間の姿を形作った。


「っ、みんな!」


ハッとすれば、そこにはマーズ、マーキュリー、ヴィーナス、ジュピター、ウラヌス、ネプチューン、サターン、プルートの姿。


「一人じゃないわよ、うさぎ」

「みんなそばに居るわ」

「レイちゃん、亜美ちゃん…」


マーズとマーキュリーが微笑みを浮かべた。
すると、ヴィーナスとジュピターがにっこりと微笑んだ。


「あたしたち信じてた」

「うさぎちゃんなら、何とかしてくれるって」

「美奈子ちゃん、まこちゃん…
夢じゃないよね?」


まるで夢のような、幸せな時。
これが夢なら、覚めてほしくない。

うさぎが涙を溜めていると、背後からの優しい声にうさぎは振り返った。


「夢じゃない。
君が救ったんだ…
この世界を」

「あなたの信じる心で」

「はるかさん、みちるさん…」


わざと裏切るという行為をして、戦ったウラヌスとネプチューン。
またこうして、微笑みを向けてくれるなんて…


「ありがとう、うさぎさん」

「がんばりましたね」

「ほたるちゃん、せつなさん…
みんな、良かったぁ」


フワリと微笑む仲間の姿に心から安堵して涙を溢すうさぎ。
すると背後から大好きな、愛しい人の声が聞こえた。
ハッとして振り返れば、そこには宙に浮く金色のスターシードとピンク色のスターシード。
一瞬だけスターシードが輝くと、そこにはうさぎの愛する人と、救ってくれた可愛い女の子がいた。


「うさこ」

「ちーびっ」

「…この子が導いてくれたよ。
うさこのもとへ」


衛とちびちびが、うさぎに微笑みを向けた。


「まもちゃん…」

「頑張ったな、うさこ」

「っ、まもちゃん…!!」


うさぎは衛に抱き付いた。

ずっとずっと、会いたかった。
ずっと、恋い焦がれていた人。

すると、突然ちびちびが衛から離れ、何もない空間に笑顔を向けて寄った。


「、ちびちび?」


うさぎが不思議そうに見つめる。
すると、ちびちびを抱き上げる少女が姿を現した。
赤梅色の長い髪にピンク色のリボン。
淡いピンクのドレスが揺れている。
少女はちびちびを抱き上げながら、うさぎに微笑みを向けた。


『頑張ったね、うさぎ』

「!
あかりっ!!」


うさぎはあかりの姿を見るなり、ポロポロと涙を溢した。
それに苦笑しつつあかりはうさぎに近付き、頭を撫でた。


『お疲れ様。
信じてたよ、うさぎならみんなを救ってくれるって』

「っ、あかり」


泣くうさぎに微笑みを向ける。
すると、ちびちびがフワリと浮いた。


『ちびちびちゃん?』

「ありがと」


にっこりと微笑むと、ちびちびは消えてしまった。
それを微笑んで見守る。
ずっと、ちびちびはうさぎ達を助けてくれていたのだ。

そっと心の中で、あかりとうさぎはちびちびにお礼を述べた。








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