星の道しるべ

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もう一度サン達がギャラクシアの元に辿り着いた時、そこに広がる光景にサンは目を見開いた。
そこにはスターシードを抜かれたサターンとプルートの姿があった。


『っ、ほたる、せつなぁ!』

「あかり、大丈夫ですよ…」

「お願い…
信じる心を忘れないで…」


その言葉を残し、サターンとプルートは消えてしまった。
それにサンは涙を溢した。


「待っていたぞ。
セーラームーン、プリンセス・マリナ!」


振り返れば、そこにはやはりギャラクシアの姿。
その両隣にはスターシードを持ったウラヌスとネプチューン。
サンは二人の持つスターシードを見てハッとした。
そのスターシードからは、ほたるとせつなの星の輝きを感じたのだ。


「嘘…
嘘、だよね?
ウラヌス、ネプチューン…」

「そのブレスレットは…」

「まさか貴女達、仲間を売ったの!?」

「お前達には関係ない」


ウラヌスの冷たい言葉に、サンは目を見開いた。
あんな冷たい目のウラヌスは、見たことがない。

ウラヌスとネプチューンが仲間を裏切るなんて、そんなこと…!


「既にこの者たちは私の忠実なる配下。
さあ、残りのスターシードを奪え。
セーラーウラヌス、セーラーネプチューンよ!」

『!
そ、んな…』


サンはグラリと目眩を感じた。

信じたくない。
違う。
こんなの、違う…!
二人がギャラクシアの味方になるなんて、そんなこと信じたくない!


「やめてよ!
どうして…
友達、なのに…」

「友達、か…」

「苦しまないように、スターシードを奪ってあげましょう?」

「友達だからな」


ウラヌスとネプチューンの冷たい言葉。
それにはセーラームーンも泣きそうになった。

どうして?
さっきまでの二人はどこにいったの?


「貴女達…」

「あたし、信じてる。
ウラヌスとネプチューンの事」

「それはどうも」


セーラームーンとウラヌス達のやり取りを見て次第に冷静になってきたサンは、ウラヌスとネプチューンの目をじっと見つめて、そして気が付いた。
二人は、裏切った訳じゃない、と。

何故すぐに気付かなかったのだろう。
ウラヌスとネプチューンの強さは、自分がよく知っているであろうに。
ウラヌスとネプチューンが本当に裏切っていたなら、自分達は既にスターシードを取られていただろう。
二人の強さは、本物だから。
そして、サターンが最後に言っていた。
「信じる心を忘れないで」と…
サターンはきっと伝えたかったのだ。
ウラヌスとネプチューンが、裏切っていないことを。

サンは唇を噛み締めると、ウラヌスとネプチューンを動揺した目で見つめた。
こんなところで、二人の頑張りを無駄にはしたくない。
二人が命がけでしているのだ。
だから、自分も一芝居打とうではないか。

ウラヌスとネプチューンがブレスレットを構える。
すると、ギャラクシアがそれを制した。
ギャラクシアはセーラームーンを見ると、笑い出した。


「お前は馬鹿か?
信じているだと?
この期に及んで…
この二人に仲間が消されるのを見たはずだ!
これが現実だ。
まさか、まだこの星が助かると思っているのか?」

「思ってるよ…!」

「ははははっ!!
スターシードを取るのは後だ。
こやつ等に現実というものを思い知らせてやれ!!」


そう言うとギャラクシアは消えてしまった。
セーラームーンがウラヌスとネプチューンの方へ行こうとする。
が、ウラヌスとネプチューンは攻撃体制に入った。


「ウラヌス、ネプチューン…!」


すると、ウラヌスがワールド・シェイキングを放った。
ファイターもすかさず攻撃を放つ。
二人の力がぶつかり合い、光輝いた。
あまりの輝きにサンはちびちびムーンの視界を塞ぎ、自分もきつく目をつぶった。







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