神谷道場

□白く儚い
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白くなった君は


白い布に包まれて


白い花で埋められて

黒い布を纏った人々に惜しまれ

それでも先を急ぐのだろうか…



「どうして」
「いかないで」
「あんなにいいこだったのに」


惜しまれる別れ
とめどなく零れる
悲しみの言葉
哀れみの言葉
淋しさの涙
怒りの涙
悔しさへの拳

鼻をすする音

弔いの経



君は今、何を思っているだろうか。



『ナカナイデ』?

『オコラナイデ』?

『サミシガラナイデ』?


みんなに対する励ましか、


『みんなが生きててよかった』


安堵か




それとも


恨み、怒りか





また、守れなかった、
俺に対する…







俺はこんなにも弱かったのか

いくら志々雄を押さえた所で、大切な人の1人も守れない。

そんな強さ、もう強さではない。

亡い

何も無い。



意味も亡い。

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